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さぁ、いってみよー!
チャットで語り合えなかった悔しさを込めたので長いです。




 帯(笑)
 「ごめんね。強くて。」(笑)

 表紙はドヤ顔のエスカノール(夜)を中心に、<麗しの暴食>亭ユニフォームのバンエレが脇を固めます。エレインの手の形がハートマークなんですが! 袖も裾もつんつるてんなのに、バンの靴のサイズは合っている<暴食亭>のユニフォーム。謎です。
 カバー外した表紙は10年前のスレイダーさん、やだ、イケメン////// セクシー////// さすがバンと並ぶ細マッチョ腹チラ要員、目の保養あざっす///////

 表紙折り返しのばっちょ先生のコメントでは、物語は半分を過ぎたそうです。つまり全部で40巻? 第一部が13巻でしたから、三部までだいたい同じ巻数だとすると39巻でぴったりですね。このスピード展開も何もかもがばっちょ先生の思惑通りなのかと思うと、恐るべし……!

 おまけ漫画は、アーデンとデルドレーのなんともいえない微妙な雰囲気のお話。ふぉぉぉっ!? この二人あんまり興味なかったけど、なんかかわいいぞ! ワイーヨさんも愛着出てきそう(笑)
 そして設定資料集にはデンゼルのデザイン案に加えて、なんと幻のドロレスとセリオンが……!
 セリオンンンンン!!!! ジバゴの面影ありとか、若い頃に瓜二つとか、ジバゴファンの血が騒ぐ……!! ああ、このラフ絵だけでしばらく生きていけそう。つか、イケメンだし、ちょっと強そうだし。学パロでヒキコモリにしてごめんなさい。
 巻末のお絵描き騎士団は「in the world」を銘打って増ページ。コメントでバンとエスカノールの絡みがあってうれしい。エレインとジェリコもいいな。(ジェリコがエレインのように「女の子らしくありたい」と思っていたことが意外)

 気になるところと言えば、台湾の方のイラストに添えてあったメリオダスとエリザベスの会話。「昔から」っていつのことなんでしょう。「出会った頃」とも取れるし、リズを含めたエリザベスの「前世」のこととも取れる。後者だったらちょっと切ない。
 団長はもっと、「今の」エリザベスを見ていることをちゃんと彼女に伝えるべきだと思うのです。団長はたぶんエリザベスを魂レベルで愛してるんだろうけれど、かといって「今の」エリザベスの個性を認めていないわけじゃない。ルインの幻術に立ち向かったとき、メリオダスを守るためにヘンドリクセンについて行ったとき、傷だらけの彼女に囁いた「俺のために生きてくれ」のセリフ、ドルイドの里で試練の最中に見たエリザベスの涙への反応、そんな端々に彼女(今のエリザベス)への愛情を感じられるわけです。読者はね。
 でもそれをエリザベスは知らないでしょう。リズが本命だと思ってるでしょう。そこがね、すれ違ってて、切ないんですよね。
 おまけにドルイドの里の長の姉妹は、メリオダスがエリザベスを守るのはリズの生まれ変わりだから、なんて断言までしてしまっている。少なくとも第一部を見ている限り、そんなことないぞ! メリオダスは「今の」エリザベスのことだってちゃんと大切に思ってる! って私は言い返したいしそうであってほしい。


 さてさてさーて、本編に行きましょう。

 デンゼルさんとフラウドリンの会話から読み取れるもの。
 1.ゴウセルの鎧(マーリン製)は魔神族の感覚をもってしても中の人の正体がバレない。
 魔眼を持つドロールさんや心読める妖精族の王グロキシニアならまた話が違ったんでしょうか。もしマーリンが、ゴウセルを元十戒と知っていて鎧を渡したのなら、彼の魔力を制限すると同時に、(生き残ってるかもしれない)魔神族から彼を守るためだったのかもしれませんね。
 2.代理の十戒を殺すと、元のひとに戒言が戻る。
 これはなーんかうそ臭い(笑) 直感だけど(笑)

 グレイロードさんは、何巻目かの設定資料で書かれていた「灰色魔神の突然変異種」ということでいいのかしら。不殺の彼の前で、「やはり死ね」とかフラウドリンさんは何を考えているのか。グレイロードの戒言の発動範囲、効力を知っての行動なんでしょうなぁ。


 迷宮おっき!!
 豚がマスコットの漫画で、その豚食おうとするサブヒロイン……。エリザベスとの再会ですね。

 迷宮のトラップで命を落としたひとたち……メリオダスはこのこと知ってるんだろうか。知ったらどんな表情をするんだろうか。リズを失った怒りさえ自分の内側に押さえ込めるようになった彼は、やはり表情ひとつ変えることなく戦いに向かうんだろうか。そんな彼の苦悩をエリザベスだけがわかってあげられるんだろうか。最近、そんな風に考えるとメリオダスの飄々とした言動もちょっと受け入れられるようになりました。が、やっぱり、メリオダスのせいで……と思ってしまう気持ちはなくならないなぁ。

 蛭って虫なの? とどうでもいいことを考える。ミミズとかの環形動物の仲間で、一般的な昆虫である節足動物とは分類が異なりますが、蠕虫(体が細長く蠕動で移動する虫、小動物)でもあるので、広義の「虫」なのかな。
 虫系の話は苦手だからこれ以上ツッコむのはやめます。蠕虫の蠕の文字見てるだけでむずむずしてきた(苦笑)

 エリザベスは相変わらずええ子やのー(ほっこり)
 そういえば、ディアンヌが最初にエリザベスに心を開いたのも、彼女がわが身を省みず誰かを守ろうとしたときでしたね。大切なあの瞬間をプレイバックってところですか。キングのことといい、ディアンヌは自分にとって大切な記憶を二度も落としてしまった。彼女は何も悪くないのに。どうしてディアンヌがこんな目に遭わなければいけないのかとも思いますが、「大切な思い出は心に刻まれていて絶対に消えない」という彼女自身の言葉をぜひ証明してもらいたいものです。

 ハイドアンドシークも確か大罪ワールドにいる妖精の一種ですよね。エレインをはじめ妖精族は人間を「仲間同士で争いあう醜い生き物」と蔑みますが、このハイドアンドシークだって同族(グロキシニア)の思いつきにまきこまれて犠牲を強いられているわけで……。あんたたち(妖精族)だってたいがいじゃないの? と言いたくなりましたね。まぁ、のちに出てくるグロキシニアのセリフを読む限り、彼にはもう同族への愛着はなさそうですが(そのくせ霊槍=神樹の力はちゃっかり便利に使ってるあたり腹立つな(笑) 神樹に善悪の区別がないのは本当らしい)

 ギルサンダーとハウザー合流。
 おいおいおいおい、ハウザーくん、そのガッツポーズは好感度下げてしまうよ? だいたいキングとディアンヌがいい仲になりそうだったって、ハウザーは知らない(ドレファスの件でそれどころじゃなかった)はずでは? ライバルが減ってラッキー的な反応でしょうか。行方不明になったディアンヌや、彼女を探そうと別行動するキングには何の反応もしなかったことが残念だっただけに、この言動はチャラいなぁ。ちょっとがっかり。

 ついにホークの魔力判明! トランスフォームじゃなくてトランスポークですか、芸の細かいことで(笑)
 ギルサンダーは第一部がなんだったんだと思うくらい、軽いキャラになってしまいましたね。ビビアンの呪縛から逃れて本来の姿に戻ったと喜ぶべきか、前のほうがイケてた気がすると嘆くべきか悩ましい。

 ギルサンダーの親戚のような氷の魔法使い少年(青年?)登場ですか。氷属性ならグスタフの兄貴を出せぇぇぇぇっ!!!!
 ああ、もう、能力被ったら絶対出番ないじゃん(涙) こっちのほうが強そうだし、イケメンだし、ううっ、妹は準レギュラーと化しているのに、かなしい……。

 新キャラがいっぱい。個人的に泣きながら殺してるヤバイひとが気になります。
 侍風のひとは横文字だから外国語(日本語?)をしゃべってるという理解でいいのかしら。こっちは正真正銘日本刀ですね。考察サイトでもつっこまれてましたが、この時代にこんな刀はないはずで……。まぁ、でもそんなこと言い出したら、関羽さまの持ってる青龍偃月刀も張飛の蛇矛もその時代(2世紀後半の中国)には存在しない「Oパーツ」ですから、ましてや大味がウリのファンタジー漫画に細かな時代考証を求めるのはむしろ無粋ってやつですよ、ね、うん。

 159話の扉絵もこれはまた秀逸ですねぇ……仲睦まじい妖精兄妹。バンとエスカノールはどこいった。700年分のことを語り合っているのか、サブタイトルのごとく「言葉はいらない」のか。ああ、いつかこの絵をモチーフに作品を書いてみたい。

 いたいけな少年(アーサー)の傍にはべるには、マーリンの服装は破廉恥すぎると思います。
 ばっちょ先生的に、マーリン関係のカップルは、エスカノールとアーサーのどっちが本命なのでしょうか。個人的にはエスカノールを応援したいなぁ。でもマーリンとアーサーの出会いの外伝とか見ちゃったら、ころっと手のひら返すかもしれない(笑)

 治癒魔法が使えるようになたエリザベス。バンの血とセットで使いたい。
 分厚い壁を超えて互いの存在を感じあうメリオダスとエリザベス。前世のつながりゆえだろうに、こういうシーンはなぜかモヤモヤ感がない。メリオダスの「待っていろよ」のセリフが、まさに今そこにいるエリザベスに向けられているからでしょうか。

 意外だったのはバンの料理が王様(アーサー)の舌を唸らせたこと。
 ほら、大衆食堂でおいしいと評判の料理と、五ツ星フレンチレストランの料理じゃ、求められる能力が全然違うじゃないですか。バンの料理のうまさって前者だと思っていたので、まさか宮廷料理人レベルとは。その気になったら、めちゃくちゃコジャレた料理も作れちゃうんでしょうか(この時代の大衆食堂と宮廷料理にどれくらいの差があるかは不明)。

 ディアンヌとエリザベスが思い出の名場面プレイバック中なら、こっちもこっちで感動の再会ですよ。そして団長のパワーアップに触れるバンのセリフやらなんやらがすごーくつじつまあわせくさいけれど、二人がキャッキャはしゃいでるのは見ていて楽しかったです。殴り合いや腕相撲はつじつまあわせ以外にも、いまだ相棒といえる仲間のいないアーサーに見せるためでもあったのかなぁ、ばっちょ先生の意図として。なんて考えます。なにせ、大罪のあとに続くアーサー王物語の主人公ですからね。

 そして相変わらず、団長とバンのやりとりが対等な男同士の友情というより、グレて家出した息子の帰宅をでっかい器で向かえるお父さん、みたいな構図でね。まぁ、バンさんファザコンっぽいから。こういう関係でいいのかもしれない。なんにせよ、王都編からの仲違い(?)が丸く収まってよかったね。

 メリオダスがどうしてバンに怒らないのか。私はずーっとすっきりしないものを感じていました。親友ならそこは怒るところだろうと。男同士ながら殴り合ってわかりあえと。でも、最近、エリザベスとメリオダスの関係がプッシュされるようになって、少し見方が変わってきました。

 アメリカのミステリードラマに「名探偵モンク」って知ってますでしょうか。何年か前にNHKだかでも放送されてました。
 主人公モンクは元刑事でしたが最愛の妻を自動車爆弾で亡くし、心身のバランスを失って休職た。周囲の助けもあって私立探偵として警察の事件にかかわりますが、妻を殺した犯人はいまだ見つかりません。
 そんな中、親友であり現役時代の直属の上司であるリーランド警部の妻が事件に巻き込まれて、一時意識不明の重体になりました。モンクはリーランドやかかりつけの精神科医にこういいます。
 「やっと私の状態をわかってくれるひとができた」
 「私は今の警部(リーランド)の状態にずっといました。今もいます」
 また犯人の自宅では、モンクはリーランドに銃を部下に預けるように言います。自分なら妻を殺した犯人がわかれば、そいつを撃ち殺してしまうかもしれないからです。
 
 (もうどこかで書いた気もしますが)メリオダスにとってバンは、「(死に別れ続けている恋人を守りたい、救いたいという)気持ちをわかってくれる」数少ない存在なのかもしれないとこのドラマを見て思いました。だから、「俺がお前の立場ならそうする」と笑っていられるし、怒らない。「好きな女にまた逢えたんだろ。それでいいじゃねぇか」なんてセリフが出てくる。あのシーンはむしろ、メリオダスの背中に小さな声でしか謝れない、でかい図体のわりにはバンのちっさくで臆病な側面がよくわかります。
 そしてメリオダスの心理状態が私の想像のとおりなら、彼はキングにも親近感を抱いていいはずですよね。キング(ハーレクイン)とディアンヌの関係は、メリオダスと今のエリザベスの関係に通じるものがあります。メリオダスはキングの恋の詳細を知らないけれど、いつか触れるときが来るのかもしれません。その時の彼の反応がひそかに楽しみだったりします。

 125ページのエレインはかわいすぎやしませんか????? <暴食>亭の衣装にあいまって、これはたまらん。
 キングを「頼れる」って言っちゃったり、ジェリコを「聖騎士」と認めたり、バンどうした? って感じですが、振り返ればバンの人生にとって今ほど精神的に満たされていることはなかったんですよね。
 親には愛されず、妹を死なせ、ジバゴには捨てられ、エレインまで喪ってしまい、ついにはメリオダスとも袂を別ってしまった。しかしその後、キングからは守りたい相手として加えられ、ジバゴと再会し、ジェリコを妹として受け入れ、エレインが蘇って、団長とも仲直り。得られなかったもの、失くしてしまったものが何十倍にもなって返ってきたような、そんな満たされた実感が彼の言動に余裕を持たせているのでしょう。

 迷路破りにいたって、昔の力をとりもどした団長と、修行なし神器なしのバンがなんで肩並べられるのか。バンの根拠のないツワモノ感はなんなのか。
 実際に作中のバンの戦歴はあまりよろしくない。

 【バステ】
  VS ジュド ○
 【死者の都】
  VS キング ●(石化されたので)
  VS ギーラ △
 【バイゼル】
  VS 団長 ●
  VS ジェリコ ●
  VS 黒団長 ●
 【オーダン】
  VS アーマージャイアント △
 【リオネス】
  VS 団長 △
  VS 灰色魔神化ヘンディ △(上半身消し炭にされたりと劣勢)
 【妖精王の森】
  VS ゲラード ●
 【レイブンズ】
  VS ガラン △(制限時間的に勝つのは難しかった)
  VS メラスキュラ ●
 
 自力で勝てたのはジュドのみ(DVDの特典漫画では吸血鬼の一族を倒してるらしい)。あとはもう、たいてい負けっぱなしのやられっぱなし。不死身だからこうして無事でいますけれども、決定打がないのが痛いです。

 さて、話は戻りまして、壁をぶちぬいた団長からアーサーへのお言葉。
 「大切なのはどう思われるかじゃない。どう相手を想うかだ」
 かっこいいセリフだけれど、とても傲慢なセリフでもある。「どう思われるか」を気にしないから、エリザベスが不安を抱え、バンが袂をわかれ(これはバンの自業自得なところもある)、キングが疑心を持ってしまったとは考えないのか。伝わらなければ意味のない想いもあるんじゃないでしょうか。信頼についてアーサーに説くのなら、そこに踏み込んでほしいけれど、そうならないのが団長らしいのかな。(キングやエリザベスへの態度を棚に上げて、信頼云々語られたらそれはそれでイラっとくるでしょうしね(笑))

 そして、その迷宮編がこの一冊で終わっている……!?
 なんてもったいない。ジバゴやメラスキュラたちもそうですが、魅力的なキャラや設定をこうも惜しげもなく(言葉は悪いけど)使い捨てにしていくばっちょ先生。せっかくの設定やキャラを使いこなせていないんじゃないかという不安もありつつ、先生の中でアイディアが溢れてとまらないのかなぁ、次は何を見せてくれるんだろうとワクワク感が募ります。

 単行本でツライのは雑誌でカラーだったはずの原稿も白黒なこと。ドログロの最新のカラーリングが知りたかった。(ばっちょ先生の色彩感覚は独特なので……)
 そして大罪メンバー7人そろい踏みのカラー。これもカラーで見たい!! 他のメンバーに比べて、バンは服のデザインにレパートリーが少ないな(笑)

 さて、真っ先にエレインを探す出すバンにたいして、エレインの反応がクールでちょっと笑ってしまった。グロキシニアが傍にいるのだからしょうがないかもしれませんが。ジェリコのスカートひっぱりがかわいい。

 そしてグロキシニアさんのわがままっぷり、ドSっぷりがすごい。さすが王様。「暇つぶし」「余興」で始めた迷宮のくせに、「とっとと始めたい」と抜かして大虐殺。こええええええ。
 迷宮にまきこまれた一般人の死は胸が痛いけど、こういう冒険者の死はそこまでモヤりません。巻き込まれて逃げ惑ってるひとたちはさておいて、優勝賞品目当てに来た冒険者たちはある程度のリスクは承知で集まってるんだろうし(とはいえ、命まで奪われるとは想ってなかったろうけど)

 さて、タコ娘がイバラ小僧だとわかったところで、グロキシニアは3000年前にすでに魔神王に討たれている(と言い伝えられている)ことが明らかになりました。
 ということは、3000年前に妖精王はグロキシニアから二代目ダリアに交代。ダリアが1700年生きて、なんらかの事情で亡くなり、キングにバトンタッチということでいいのかな。1500歳が寿命というのは、妖精族の肉体的限界ではないらしい。これが平均寿命なのか、妖精王ゆえに長寿なのかはまだはっきりしません。

 ドロールさんも同じ時期に十戒にスカウトされたのでしょうか。
 3000年前の戦いがどのくらい長きに渡っていたものかはわかりませんが、団長が魔神側で、グロドロが女神側で戦っていた時期もあったのかな。だからグロキシニアの「あたしたちは古い友達」というセリフは、立場が入れ替わっても戦いあうことへの皮肉だったのでしょうか。
 それなら、団長がグロキシニアの霊槍バスキアス発動に「やばい」と発言しつつ、彼らの戒言について仲間に忠告しないのもわかります(対ガラン戦でマーリンが嘘をつこうとしたときは、忠告しようとしていたので。間に合わなかったけど)。つまり団長はグロドロと同じ陣営で仲間として戦ったことがない。かつ、団長が魔神サイドを裏切ったあとにグロドロが十戒に参入したので、彼らの戒言の詳細は知らない、という推察。そしてゴウセルの名前にグロドロがピンと来ないのは、ゴウセルの十戒離脱と彼らの参入が時期を同じくしていたから。
 3000年前の戦いでは、人間も女神族側、魔神族側に分かれていましたし、敵味方が相当入り乱れたようですね。

 しかしまぁ、ヘルブラムに、エレインに、グロキシニアと、妖精族は闇堕ち属性が高いなぁ。
 エスカノールを問答無用で手にかけちゃう残忍さなんて、魔神の血のせいなんでしょうか、グロキシニアのもともとの性質だったらどうしよう。だったら人間よりよっぽど怖いわ。

 霊槍バスキアス第七形態「月の華」から出た「生命の雫」。いかにも「生命の泉」の元っぽいものが登場しました。バンが泉を飲んじゃったとグロキシニアが知るときはくるのか、知ったときの反応は? 彼の「生命の雫」が「生命の泉」の元なら、逆の作用でバンの不死身が解除されたりするんでしょうか。上記の戦歴な彼では不死身のアドバンテージが失われるのはそうとうキツい。逆にバンにしてみれば、エレインを100%生き返らせる可能性がこれで出てきましたね。(つか、バンの血飲ませてみるとか、ここに着くまでにいろいろ試してみたのかしら)

【喧嘩祭りに参加する動機、優勝して願うこと】
 メリオダス……楽しそうだから(の裏で十戒殲滅?)
 バン……エレイン復活
 エレイン……自分の復活
 ジェリコ……エレインの復活? 魔力の開眼?
 キング……グロキシニアからの事情説明
 ディアンヌ……マトローナの子どもを助けてほしい
 マトローナ……ゾルとデラの回復
 エリザベス……特になし(十戒殲滅?)
 ホーク……特になし
 オスロー……特になし
 ゴウセル……心がほしい
 エスカノール……特になし(マーリンに逢いたい?)
 ヘンドリクセン……ドレファス奪還?
 グリアモール……元の体に戻りたい? ドレファス奪還?
 アーサー……魔力開眼? マーリンを元に戻す?
 ギルサンダー……メリオダスと戦いたい
 ハウザー……特になし
 スレイダー……特になし

 こんなもんかな?
 ゴウセルとジェリコの会話に笑った。

 グロキシニアサーバント……、サーバントって召使とか下僕って意味ですが、どうみてもゲラードさんですよ。姉か妹説を推したい! ますます推したい!!
 ていうかこれで恋人とかなら、私は怒る。妖精王の森でエレインの亡骸とバンを利用しようとしたゲラードさんに怒る。グロキシニア→ゲラードの片想いとかなら、ちょっと萌えちゃうかもしれない。

 (ゲラードについて、長いうえにネガティブ意見やらうんちくやら書いてるので反転)
 ゲラードって、キングの私情を認めてない印象がぬぐえなくて。ハーレクインという個人ではなく、妖精王という役割として見ている、といえばわかりやすいでしょうか。だから彼女は、たとえ妹の亡骸を利用して友人を肥料代わりにしても、キングが妖精族を見捨てないと思ってる(グロキシニアみたいに闇堕ちする可能性だってあるのにね)。王とはそういうものだと思い込んでいるフシがある。
 彼女がそこまで妖精族と妖精界を守ることに心血を注いでいるのはなぜなのか。初代妖精王との繋がりがあるのなら、彼から託されたのだと考えるのが妥当です。ただそこに、愛だの恋だのといったアハハウフフな感情が加味されているのなら嫌だな。キングの私情(きょうだい愛や友情)を認めないくせに、自分は私情中の私情(恋愛)のために動いているんですからね。

 あとこれはとても勝手な期待なんですけれど、ゲラードさんには「忠義」のキャラでいてほしい。
 彼女が登場したとき、真っ先に頭に浮かんだのはスレイダーさんの姿です。彼もまた仰ぐべき王は違えど「忠義」キャラ。王都決戦でスレイダーさんのバルトラ陛下への想いを見せられたときは、ばっちょ先生はこういうキャラも描けるのかと驚いたものです。

 大罪ワールドではキャラクター同士の結びつきのほどんどが愛です。姫と騎士の関係であるマーガレットとギルサンダー、ベロニカとグリアモールさえ、忠節うんぬんよりも恋愛面がクローズアップされてます。男同士の友情さえ霞むこの漫画のなかで、恋愛よりも仕事を取りそうなスレイダーさんの存在はなかなか異色でした。

 「忠義」キャラのポイントとしては、忠義を尽くす相手に見返りを求めない側面が強いことがあげられます。尽くすことで完結している思い、または相手の成すことが自分にとって意味があり、自分のなすことが相手のためになればそれでいいという関係です。私の愛読する三国志ではこんな関係がうじゃうじゃあります。

 例えば、三国志で一番の大国「魏」の実質的な建国者・曹操と、彼の従弟・曹洪のエピソード。
 ある戦で曹操は敵に追われ馬を失い窮地に立たされました。この時、曹洪は自分の馬を曹操に譲ります。拒む曹操に曹洪は、
 「天下に曹洪がおらずとも構いませんが、曹操がいなくては成り行きません!」
 と言い切り、曹操を馬に乗せると自らは徒歩で彼に付き従いました。

 曹洪は、主君のためならばわが身を犠牲にしてもいとわないという決意はもちろん、自分では成しえない大願(乱世を鎮圧して天下統一すること)を主君に託しているところが伺えます。これをスレイダーさんに当てはめるとどうなるか。
 スレイダーさんがバルトラのためなら命も捨てることは、王都決戦で証明済みです。そして、ゴウセルが読み取ったスレイダーの過去から、彼がバルトラに二度と自分のような可哀そうな子どもが生まれない国を作って欲しいと願いを託している、バルトラならそれが出来ると信じていることは推測にたやすいです。

 この手の自分の願いを主君に託す系の忠義に対して、主君がやりのこしたことを代行する系の忠義もあります。

 三国志二番目の大国「呉」の参謀・周瑜のエピソード。
 周瑜は呉がまだ呉になる前、彼はリーダーだった孫策と親友、義兄弟(妻同士が姉妹)の仲でした。しかし主君であり義兄であり、親友でもある孫策は若くして亡くなってしまいます。彼は実の弟孫権に後を託し、「国の外のことで困ったことがあれば必ず周瑜を頼るように」と遺言を残します。骨肉相食む時代に、孫策と孫権は仲がよく、兄は弟の才能を高く買っていました。
 主君を失った混乱の中で、周瑜は誰よりも先に、義弟である孫権を主君と仰ぎ、36歳の若さで死ぬまで、親友孫策の夢であった天下統一のために尽くしました。

 「蜀」の参謀・孔明のエピソード。
 民衆の人気は高いが戦には負け続けていた劉備という男が、親子ほど年の差がある孔明を礼節を尽くして軍師と招きました(三顧の礼のエピソードは割愛)。彼らの濃密な信頼関係を形容する「水魚の交わり」という言葉も有名です。
 そんな劉備が死にに際し、孔明に「私の息子に才能がなければ、お前が代わりに主君となれ」と後事を託します。しかし孔明は、劉備の暗愚な息子(のちに彼の幼名「阿斗」は愚か者の代名詞になります)を支え、劉備の悲願を叶えるために戦い続けてついには病死しました。

 個人的な推測ですが、ゲラードはこっちタイプなんじゃないかなと。グロキシニアから託されたもの(妖精族、妖精界)を彼女は必死に守ろうとしている。だから彼女は、王の身の安全のためなら、目の前で数百の同族が殺されても構わない。それらの命よりも、王の命は優先されるべきものである。なぜなら、王がいなければ妖精界は滅んでしまうから(神樹が次の王選ぶだけじゃん、て気もするから、この部分こそゲラードがハーレクインそのものを大切に思っている証拠になればいいとも思ってます。念のため)。
 ゲラードはきっとこう思っている。万一妖精族が、人間や巨人族といった他種族と争いになったとき、ゲラードに向ける感情はどうであれ、キングは必ず同族のために戦う。それが王たる者だと。だからエレインやバンを平然と利用できる。
 そしてゲラードの確信は現実になります。キングは、アルビオンの猛攻から身を呈して同族を守ろうとします。ゲラードにとって計算外だったのは、彼の守りたいものは、同族よりももっと広くて深いものだったということ、友人のバンや愛するディアンヌのためにこそ、彼は限界を突破できる王であったことだと思います。自分のためでなく、誰かのために強くなれるひとという、エレインの洞察こそ正しかったわけです。おそらくキングから私情を完全に排除してしまえば、彼は実力の半分も出せなかったことでしょう。

 ちょっと脱線しましたが、
 こういうゲラードの妄執ともいえそうな王へのこだわりが、初代とのアハハウフフな関係から始まっていたとしたら、なんだかなぁというのが結論でして。
 例えば、妖精界をグロキシニアがいた時代のまま留めておきたいとか、彼が愛した世界だから守りたいとか、彼女の妖精界を守る動機がそういうグロキシニアへの憧憬をそのまま残した形であったのならね。
 だってそれって、めっちゃゲラードさんの私情じゃないですか。キングに私情を赦さないのに、自分は自分の欲望(グロキシニアへの想い)を満たすために他人を利用してるじゃないですか。キングはグロキシニアの代用品じゃないんですよ? と思ってしまう。もしゲラードとグロキシニアの関係が「そう」ならね。

 百歩譲って、私情なら私情でしょうがない。ただそれが美しいもの、素晴らしいものとして物語の中で賛美されるのなら、私はすごくもやもやします。せめてゲラードの言動が、彼女なりに「今の」妖精界のこと、キングのことを考えてのものであってほしい。「私」ではなく「公」を重視する存在として、グロキシニアの代わりではないキングを支えて欲しい。そう思います。

 それから「忠義」ってプラトニックなものですよ(戦国時代の衆道とかいう例はありますが)。つか、そっちのほうが萌える(聞いてない)。主従の関係が忠義を覗いたところでは他人(親兄弟、恋人、友人でもない)であればあるほど、二人をつなぐ忠義の絆が輝くのです(完全に私の趣味)。
 だってスレイダーさんにとってのバルトラ陛下ってそういう存在でしょ。スレイダーさんは公式同性愛者、バルトラ陛下は性別だけなら恋愛対象だけれど、「そこんとこどうなの?」なんてスレイダーさんに聞いてごらんない。まず間違いなく殺される。ミンチにされる。
 ゲラードにとってのグロキシニアもそうだといいなー、なんて。


 そして最後になりましたが、エリザベスとエレインコンビですか。こうして並ぶと肉体的な差がすごい(笑)
 ヒーリング担当のエリザベスと瀕死?ギリ生きてる状態のエレインがどこまで戦えるのか……(21巻のアオリを見る限り強そうだ)、相手が雑魚っぽいから大丈夫でしょうが。むしろかすり傷ひとつでも負わせたら、メリオダスとバンが怖い。


 こんなところでしょうか。お粗末さまでした。
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