きみとかぞえうた
since 2015.08.20.

　スコットランドの北方にある妖精王の森をふるさととしているキングとエレインは、スコットランド出身だと考えていいのかしら。正確には彼らが生まれたのは妖精界で、人間の住む世界とは別の場所（次元？）にあるっぽいのですが……。
　バンは確実にスコットランド人ですね。アバディーンはスコットランド北東部の港町で、この監獄でバンはジバゴと出会ってますから、生家のあるレイブンズもアバディーンの一部もしくはその付近の都市なのでしょう。イギリスは北大西洋海流と偏西風のおかげで緯度の割には冬は温暖ですが、それにしたって寒そうです。バンの体が大きいのも、遺伝はもとより気候の影響もあるのでしょうか。いわゆるベルクマンの法則ってやつで。（そういえば幼少時のバンさんって、生活環境から想像できる栄養状態を思えばふっくらとしていますね。燃費の良い体質してたのかな）

　ファンブックについている大罪マップを見るに、バンの故郷はエリザベスとメリオダスの出会いの場所やケインズ集落からさらに東です。ジバゴによればそこから妖精王の森までは「四日はかかる」とのこと。
　北方にある妖精王の森に、現在で一番近そうな都市（町？村？）は「タン」かな。そこからアバディーンまで直線距離で海をまたいで200キロ（125マイル）以上。さて、本当に移動できるのか。
　一般的に徒歩旅行は時速5キロで一日の移動距離は30キロほどで計算するようです。そうすると7日はかかります。さらに海をまたがないルートなら、インヴァネスを経由して250キロほどになるので、8～9日かかってしまいます。馬や船を使って、さらに昼夜敢行すれば事情は違うでしょうけれどこの距離を、ほぼ半分の四日でいけるというジバゴの移動速度は明らかに一般人より上です。

　ジバゴは結局、セリオンやバンを理由に妖精王の森へは行きませんでしたが（端から興味もなかっただろうし）、バンは行きました。彼がどういうルートを辿ったかはわかりませんが、当時、あんな北方にマトモな都市はほとんどなかっただろうに大変だったと思います。妖精王の森への道程で彼は何を考えていたんでしょうか。なーんにも考えていなかったのかな。まさかそこに自分の運命の女性がいて、しかも彼女との悲恋を抱えたまま不死身になるなんて思いもしてなかったことだけは間違いないんでしょう。

　あともうひとつ気になるのは、バンが種を植えた新生妖精王の森の位置です。大罪マップの位置だとすれば、焼失した妖精王の森とそんなに遠く離れていないのでしょうか。そういえば、ODAのバンは徒歩でしたね。しかしそうなると、十年前のキングが近くにある新しい方の森の存在に気づかなかったことが不思議に思えます。オーダン村でのエピソードから、バンやキング、メリオダスは徒歩でもものすごい距離を移動できるのかな。しかし、走るホークママよりは遅そう。いや、そもそもバンとキングの移動速度に遜色がないのなら、キングが森に気づかなかった理由はやはり説明できないし……現役の妖精王なら自分の付近にいる森の存在くらい察知できそうな……いやしかし、バンとジェリコと一緒に新生妖精王の森に行ったときはバンに「着いてる」といわれるまでまったく気づいてなかったし……（ﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂ）。
　バンを追いかけたジェリコへのキングのツッコミに「２０マイルは歩いた」とあります。２０マイル＝約３２キロメートル。さらにそこから半日は歩いたとして（ジェリコが食事について云々しているので）、せいぜい５０キロでしょうか。リオネスから５０キロ圏内に新生妖精王の森があるとなると、やはり地理的に無理があるような？？

　リオネスはインヴェラレイの近くで、ディアンヌの故郷は、リオネスから見て「エディンバラを越えた先にある」と仮定するなら、さらに東に進んだハーディントンあたりでしょうか。
　ドルイドの里イスタールの位置がよくわからないのだけれども、こっからエレインを案じて妖精王の森、つまり北に向かったとおぼしきキング。果たして彼はその経路から東に大きくそれたアバディーン近くのレイブンズで起きているバンと十戒の戦闘に気づいてくれるのか否か。
　このへん、イギリスの地理に詳しい方のご意見をぜひ伺いたいものです。