頭の体操も兼ねて、作品にもならないような小ネタを置いていきます。
無事に作品として形になったものはサクサク消していく予定。
まずは
【恋したくなるお題(配布)】様より「キスの詰め合わせ」お題です。
<キスの詰め合わせ>
1.始まりの合図のキス
2.言葉を封じるキス
3.目を逸らした隙にキス
4.キスがその答え
5.君からのキス
6.指切りの代わりにキス
7.温度差のあるキス
8.通信終了後の携帯にキス
9.キスの前にお願い一つ
10.薬指にキス
番外1.キスとキスの合間に(微エロなお題)番外2.不意打ちなキス(無邪気な君へのお題)
番外3.痛む場所にキスを(嫉妬まじりの恋のお題)
ノリと勢いだけで書きます。誤字脱字なんて気にしない。特に記載がない限りはバンエレです。
番外1.キスとキスの合間に(微エロなお題) 彼女はすべてを受け入れてくれた。
キスとキスの合間に
ためしに、口を吸ってみることにした。小さなコケモモみたいなソコを、やわくすすれば鼻にかかった声とともに、彼女の背中が震える。腕に抱え込んだ腰は今にもポキリと折れそうで、バンは今自分が手に入れたもののかつてない儚さに背筋がぞっとした。
唇と唇が離れた間際に、せつなに生まれる真空。止まっていた息が、互いにその隙間を埋めてキスは解かれた。
「なんだか、変な気持ち……」
彼女の声は、おぼつかない。それはバンも同じで、見つめ合った彼女の淡い瞳の色になおも浮き足立つ。ほとびた金色の眼差しでバンを捕らえたまま、彼女は続けた。
「どきどきして、胸が苦しくて、でも……気持ちよくて」
最後の部分を告げる間に、はにかむ彼女がなんともたまらない。さまよう眼差しは確かに恥ずかしがっていて、けれどほころぶ口元はもっと多くのことをバンに告げたがっている。二つの感情がせめぎあう中で、彼女は耳打ちという形でバンに秘めた真実を伝えてきた。
お腹の下が、熱いの。
バンの耳から唇を遠ざけた彼女の、上目遣いをずるいと思った。とろけたキャンディみたいな、つるりとした瞳を覗きこむ。俺もだ、と鼻筋を触れ合わせて囁けば、彼女はくすぐったそうに笑った。
「よかった、私だけじゃなくて」
そんな彼女がかわいくてかわいくて、バンは腕の中のものを優しく抱きしめてキスを重ねる。何度も、何度も、角度を、深さを変えて、彼女の唇の形を自分ぴったりに作り変えてしまうことに夢中になる。すると、弱い力で胸を押された。
「待って……」
「なんで」
「息が、できない」
死んじゃいそう。死なれては困るから、バンはしたいのをぐっと堪えて彼女の呼吸を待つ。キスというのも、難しい。ただ唇を重ねていればいいものでもないらしい。思うがままを伝えると、彼女はクスリと笑った。
「ゆっくり、覚えていけばいいんじゃないかしら」
ほんのり色づいた頬の上で、たおやかな眼差しがバンに注がれる。バンだけを見上げて、バンだけを映して、バンだけを求めるその二つの光が、バンは無性に欲しいと思った。
「だな……」
少なくとも彼女は、バンとのキスをこれっきりにするつもりはないらしい。言葉と態度から滲む彼女の気持ちがうれしくて、バンはまた彼女にキスをしようと唇を寄せた。
2015/12/31 Ban × Elain by hirune wahiko
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