「Never set me free」の出典を、あとがきに書き添え忘れたことを思い出したので追加しておきました。
(以下、趣味のミュージカル話なので、興味ない方は飛ばしてください)
ミュージカル 「Hairspray(ヘアスプレー)」のナンバー「Without Love」の一節です。
ハンサムな人気ダンサーのリンクと明るくビックサイズなトレーシー、黒人ダンサーのシーウィードと厳格で差別意識の強い母を持つペニーのカップルが、「愛のない人生なんて」と歌い上げてくれます。
人種差別、体型差別をテーマにしつつ、全体的にコメディタッチで、トレーシーのまっすぐな性格に元気付けられるミュージカル。(2007年に映画化されたものをベースにお話を進めてます)
このなかで、私が応援してしまうのがシーウィードとペニーのカップルです。
シーウィード
Living in the ghetto
Black is everywhere you go
Who'd 've thought I'd love a girl
With skin as white as winter's snow
スラム暮らしじゃどこへいっても黒人ばかり
僕が雪みたいな白い肌の女の子に恋をするなんて、誰が考えただろう
ペニー
In my ivory tower
Life was just a hostess snack
But now I've tasted chocolate
And I'm never going back
象牙の塔にとじこめられて、味気ない人生だった
でも今チョコレートの味を知ってしまったら、もう戻れないわ なーんか、ここがちょーっとだけバンエレっぽいなぁと^^
チョコレートは黒人の比喩として、シーウィードがメインの別のナンバー「Run and Tell That」でも登場します。
シーウィードの「黒人」や「スラム」を「盗賊」「レイブンズ」に、ペニーの「象牙の塔」を「妖精王の森」に、「チョコレート」を「エール」に差し替えれば、ほら、あっという間にバンエレソング!(ここまで変えたら別物というツッコミはなしで!)
この歌は、母親の手で自室に軟禁されたペニーを助けにシーウィードが窓から侵入してきたところから始まります。なんで閉じ込められたかというと、黒人の差別反対デモに参加したトレーシーが警官といざこざを起こしてしまい、親友のペニーが匿ったのですが、母親にバレてしまったからでした。(このペニーのお母さん、映画でのインパクト強すぎて忘れられない(笑))
捕らわれのお姫様を助けに来たというシーウィードに、肌の色が違うから諦めてたのと喜ぶペニー。しかし彼女とベッドを繋いだ縄がなかなかほどけない。「きみのママ海軍かよ」というシーウィードのセリフが大好きです。
シーウィード
And girl, if I can't touch you
I'm gonna lose control
君に触れないなら
僕は狂ってしまう
ペニー
Seaweed, you're my black white knight
I've found my blue-eyed soul
シーウィード、あなたは黒い肌のホワイトナイト
私はブルー・アイド・ソウル(黒人のR&Bやソウルを取り入れた白人の音楽)を見つけたわ うまく窮地を脱したペニーとトレーシーはシーウィードたちの手引きで黒人のスラムで匿われます。
全員
Darling, I'll be yours forever
'Cause I never wanna be
Without love
So darlin' never set me free
ダーリン、私は永遠にあなたのもの
愛のない人生なんて絶対嫌だから
だから、ダーリン、私を離さないで シーウィード役のイライジャ・ケリー(イライジャと言われるとウッドの方を思い浮かべてしまうのは、ロードオブザリングのせいでしょうね)はダンスも歌も抜群で、彼のメイン曲「Run and Tell That」もめちゃくちゃかっこいいです! 映画版で、この曲にペニーが失神しちゃうのも頷けます。
オープニングからエンディングまで、基本的に賑やかなナンバーの多いスカッとする映画なので、ぜひ一度ご覧あれ。(だからこそ、この映画唯一のスローナンバー「I know Where I've been」が胸を打ちます)
というわけで(?)、「I was born to love you」へのコメントをありがとうございます。Tさま、お返事です。
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