このページは、
 ・地雷など苦手な作風を避けたい方
 ・好みの話を探したい方
 ・書き手のコメントに興味がある方
 を対象にしています。
 ・読む前にネタバレしたくない方
 ・作品外で書き手の意図を知りたくない方
 はまわれ右でお願いします。

 左側のtext一覧をクリックすると、こちら側で簡単なあらすじとコメントが確認できます。コメントは各作品末尾にあるあとがきとは異なり、作品への思い入れや作品に込めた意図などに触れていることが多いです。
 おおよその作品傾向はもちろん、シチュエーション、苦手要素となりうるものを列挙していますので、お好みの作品を探すのにご利用ください。
 当然ですがあらすじもコメントも激しくネタバレです。


■ コメント ■
作品へのコメントはこんな風になっています。あらすじは見たいけど、コメントは読みたくない方はこちらをご覧になりませんように。
上手にご利用くださいませ。











































消せない記憶

■ チェックポイント ■
 <豚の帽子>亭/原作時点とゴウセルの回想/シリアス/死別中/エレインの死について/キング、ディアンヌ、ゴウセル

 ゴウセルはかつて酔っ払ったバンから「記憶を消してくれ」と頼まれたことがありました。結局、バンは話を取り下げますが、彼の言動がゴウセルは今も気にかかります。
 話を聞いていたディアンヌは、失恋ではないかと推理します。飽きっぽいバンがしつこく想い続ける存在に、ディアンヌとゴウセルは興味津々です。
 その傍らでキングは、妹・エレインのことを想います。そして、彼女の記憶を消そうとし、出来ずにいるバンの苦しみも。そしてディアンヌの言葉に、エレインを忘れないバンへの感謝を心の中で呟くのでした。

■ コメント ■
初期の作品では特に好評をいただいています。一度にたくさんのキャラクターを描写するのは得意ではありませんが、この話ではゴウセル、ディアンヌ、キングがそれぞれの立場で良い感じにバンエレの関係に絡んでくれたなぁと自画自賛。
そして、彼なりに人生を生き直すため、エレインを忘れよう、忘れようとし、けれど忘れられないバンの原型がこれなのかなと今になって思います。

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優しいおまじない

■ チェックポイント ■
 妖精王の森/セブンデイズ時点/シリアス/無自覚イチャラブ/額、頬にキス

 バンからの額と頬へのキスに、エレインは驚きます。エレインが泣いていたからと、バンは恥ずかしがる風もなく答えました。
 エレインが泣いたのは、いなくなった兄と、兄の代わりに引き継いだ役目を語っているさなかのことでした。ろくでもない人生だと、他人との関わりをもたなかったバンから与えられた慰めは、意外なものでしたがエレインの涙を止めます。
 エレインはバンにキスを返しました。彼の人生の慰めになるように。少し照れたように笑う彼に、エレインはいつかもっと特別なキスを彼に教えてやりたいと思いました。

■ コメント ■
バンの前でよく泣くエレインの原型(笑)
下心も恥じらいもなく、親兄弟とするような優しいキスというシチュエーションには胸があたたまるものがあります。バンエレは、互いに恋に無自覚な段階から、両片想い、そして両思いと同時に死別、という展開のどの部分もとても美味しいですね。

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恋し君へ

■ チェックポイント ■
 妖精王の森からリオネス/セブンデイズ時点から<七つの大罪>聖騎士時代/シリアス、悲恋/バンの過去が原作と異なる

 親兄弟も誰もいないバンは、気づけば必死に生きていました。しかしバンを受け入れてくれる人はおらず、彼もまた自分が誰の目にも映らないこと、生きることは人とすれ違うだけのことだと学びます。空っぽの心に、バンは明日への希望を詰め込んで生き続けます。そしてついに彼は、自分の名前を読んでくれる存在と出会いました。
 不死身となり聖騎士となったバンの名を、別の者たちが今は呼びます。不自由のない暮らしに、しかしバンの心は満たされません。恋しいその名前が、バンの口からこぼれました。

■ コメント ■
がっつり悲恋話。ここまで直球なのは、あとは「気まぐれシェフの夢」や「Be my girl」くらいのものでしょうか。聖騎士時代のバンは、モノにも仲間にも不自由しなかったのに「ふと我に返る」とき「ひとり」だと思ってしまうほどの孤独を噛みしめていたのですね。
原作でバンの過去の詳細が描かれるかなり以前に書いたものなのでバン=孤児設定で書いてますが、こっちと原作ではどちらのほうが救いがあるのかな。ジバゴの存在は大きいですが、虐待されていた、妹を亡くしていたことなど、原作は原作でヘビーだと思いました。

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強奪者は虚しさを知る

■ チェックポイント ■
 妖精王の森からリオネス/セブンデイズ時点から<七つの大罪>聖騎士時代/シリアス、悲恋/バンの過去が原作と異なる/原作でのキングとのやりとりが挿入

 エレインから「強奪」の魔力について尋ねられたバンは、しぶしぶ彼女に魔力が生まれたきっかけについて語ります。生き残るために目覚めた力を、ときに人に利用されながらもバンは頼りにしていました。しかし、エレインはバンの悲しい生い立ちに胸を痛めます。
 彼女の悲しい顔を見たくないバンは、彼女の風の力について尋ねることで話題を逸らしました。エレインの風の力は、妖精王の森からの恩恵だと彼女は答えます。その力で700年森に留まる彼女に、バンは珍しく言葉に迷い、その挙句に、彼女のような何かを守る力が欲しいと言いました。
 もしそんな力を手に入れられたら、彼女を守りたい。バンの願いは叶わず、ありあまった魔力をバンはいたずらに浪費しました。キングに叱られても、どこ吹く風のようでバンの心は悲鳴を上げています。

■ コメント ■
今読み直すと「恋し君へ」とネタも展開もほぼ同じじゃないか! とつっこまずにはいられない作品。キングとの初絡みが描けたのは良かったと思ってます。
原作のバンの過去回を見るに、バンの魔力は生まれつきと言うわけではなさそうです。魔力はどういうきっかけで目覚めるのか。「何かを守りたい」という想いと、バンの魔力はどう関わっているのか。そんな疑問はバンとヘンドリクセンのお話「彼にあだ名がついた日」に受け継がれます。

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家へ帰して

■ チェックポイント ■
 レイブンズ/原作時点/シリアス/エレイン、ジバゴ、キリアの死にネタ/ジェリコの妹ポジ確定話/エレイン襲撃直前

 バンはエレインが妖精王の森とともに燃え尽きる夢を見ます。目覚めに見たジェリコが、死んだキリアとも重なりバンの気分は最悪で、後ろをついてくる彼女への態度のそっけなくなります。不満げなジェリコの様子はますます妹を思い出させるのでした。
 妹の死に、幼いバンは思うところがあってもそれを言葉にすることができませんでした。エレインの死に際に、バンはようやくその言葉を見つけます。
 再会を果たしたジバゴの亡骸を抱えて、バンは彼の墓を作る場所を探します。手伝うジェリコに、バンは彼女の兄グスタフのことを思い出し、そして彼女を妹と重ねる理由を見つけるのでした。

■ コメント ■
バンがジェリコに優しくする話ですが、ぶっちゃけたところ全力でバンジェリフラグを折りにかかってる作品。とはいえ、一番書きたかったのはキリアちゃんの死にざまと、幼いバンの反応だったりします。
「死」というものを理解するのに、10歳くらいにならなければ難しいという話をどこかで聞いたことがあったので。エレインの死に触れることで、妹の死を再認識したとしたら、恋も哀悼も慟哭も、彼はエレインから教わったことになるなぁと。

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行きずりのフォーチュンテラー

■ チェックポイント ■
 某所/<七つの大罪>離散時/ほのぼの?/バンエレ死別中/オリキャラ女性との会話

 占い師の女は、酔っ払いから助けてくれた若者とエールを交わします。陽気で見た目も悪くない青年に、謝礼代わりの誘いをかけますがあっさり袖にされてしまいました。死んだ恋人がいるという彼の話を、彼女は信じます。しかし青年は、彼女の占いの腕前を信じませんでした。
 青年の過去を変える、と宣言する彼女には魔力がありました。彼女はその魔力で、青年の過去の絶望を希望へと変えます。女は礼代わりのキスを求めますが、死んだ恋人に操立てする青年の純情ぶりに笑い出さずにはいられませんでした。
 翌日、姿を消した青年の後を追うように、<七つの大罪>の手配書が出回ります。その中の一枚が、消えた青年の特徴を捉えていました。10年後、嫌疑が晴れて捨てられるだけとなった手配書を、女は青年の思い出と共にひきとります。

■ コメント ■
モブ視点ということで、挑戦作でした。おかげで大苦戦。占い師のキャラや話の作り、オチの付け方まで何もかもがなかなかしっくりこなくて、ああでもないこうでもないと修正を繰り返した作品です。おかげで掲載当時はあまり好きになれませんでした。が、今読み直せばこれはこれで悪くなかったのかなぁ、なんて(笑)

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ING

■ チェックポイント ■
 妖精王の森/原作時点/シリアス/キングによるバンエレ、バンジェリ語り/バンジェリを示唆するような表現あり

 エレインとバンの関係を知っても、諦める気配のないジェリコにキングは呆れながらも、光のようなものを感じずにはいられません。バンは妹とのつらい恋を貫くよりは、ジェリコとのほうが幸福になれるのではないか、という期待でした。
バンはエレインとの恋を過去にしません。不死者であるバンの終わりのない片想いにキングは危惧を抱きます。強欲なくせに、楽なほうに流れようとしないバンを我の強いジェリコが受け止められるとも思えません。
キングはジェリコに警告します。その陰で、彼はバンの恋が過去になることを祈るのでした。

■ コメント ■
なかなか哲学的な話(笑) キングは原作主要メンバーの中でも博識ですし、長寿ですからこういう話でも無難にこなしてくれるので重宝してます。
バンとエレインの恋は現在進行形だよ、それにジェリコが対抗するのは至難の業だよ、と主張したい一方で、エレインの死を受け入れる=彼女を過去の人にする、こともバンにとってはひとつの成長ですし、ジェリコみたいなひとがいてくれる以上、決してマイナスなことではないよな、という葛藤を描いてみました。

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恋わずらい

■ チェックポイント ■
 妖精王の森/原作時点/シリアス/ジェリコの片想い/ギーラとジェリコの会話

 妖精王の森で見た妖精の少女の亡骸が、バンの恋人だと知ったジェリコは動揺を抑え切れません。頭の整理がつかないジェリコは、呪言の玉を使ってギーラに悩みを打ち明けました。
 ギーラはジェリコに思い出の美しさを語ります。父を語るギーラが、ジェリコにはバンと重なって見えました。
 思い出に現実が勝てないことに、ジェリコは憤ります。ギーラは、現実のジェリコだからこそバンに与えられるものがあるはずだと言い残しました。しかし、ジェリコを女としてみないバンを相手に、彼女ができることは何でしょうか。もし彼に女として求められたら、幻滅してしまうのではないでしょうか。
 答えが出ないのに、バンを想うことをやめられません。

■ コメント ■
「死んだ小娘より生きてる俺の方が分がある」と言い切れるジェリコの認識としては、エレインはバンの過去なんですよね。終わったことにいつまでも執着してるバンがわからない。そんなジェリコにバンの気持ちを代弁させる役目として、ギーラを選びました。
実際、このギーラの推測は間違っています。彼女はジェリコを介してしかバンの事情を知りませんし、ジールのいる彼女は父を過去と割り切ることが必要だったでしょう。

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血まみれで哂うあなたに

■ チェックポイント ■
 ダルマリー/原作時点/ほのぼの?/セネットの片想い/うっすらとエレインの影

 メリオダスたちへのお礼の食事会に、キッチンで用意を続けているセネットはいまだに彼らへの感謝を素直に持てずにいます。バステで彼女が目の当たりにしたものが尾を引いているからです。そんな彼女の元に、酒を取りに来たバンが現れます。
 セネットはバステでジュドとバンのやりとりを目撃していました。怯えずにはいられない彼女に、バンは気にも留めず彼女の料理を褒めました。バンとの意外な意見の一致に、セネットは自分が医者の娘である自覚を取り戻し、怪我の多そうな彼に軟膏をプレゼントしました。バンは不要と返しますが、彼女の説得に心を打たれたのか最後には受け取ります。その礼だと、彼は料理のアドバイスを彼女に残しました。
 翌朝、メリオダス経由で戻ってきた母の形見のダガーに、セネットはバンへの淡い想いを胸に抱きます。

■ コメント ■
バンに惚れるセネット、という盛大な捏造話。登場シーンこそ少ないものの、初登場でのインパクトがすさまじかったですね(笑)エレイン以外の女性に一切興味なし! なバンを強調してくださる素敵なキャラでした。
父親のダナと再会したときの、彼女から発せられるメリオダスたちへの反感はかなりのものでした。それがどう払拭されていったのか、その過程に、そもそも彼女をビビらせた本人であるバンが関わっているというな、という妄想です。

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月夜の狂行

■ チェックポイント ■
 リオネス/原作時点、王都決戦後~王国誕生祭前の夜/シリアス/ジェリコの片想い/ジェリコで憂さ晴らししようとするバン/押し倒してキスマーク

 祭りを前に忙しいはずの<豚の帽子>亭を抜け出し、岩の上でバンは飲んだくれています。メリオダスを殺そうとしてしまったことを、バンは悔いていました。
 メリオダスを殺せないと実感したバンは、エレインの復活を諦め、不死の人生を謳歌しようとやけになって考えます。そこに現れたジェリコに、バンは自分への好意を見つけて彼女を利用しようとしました。
 ジェリコを押し倒し、胸元を開けさせます。あらわになった胸元に唇を寄せますが、バンがジェリコから感じ取るものはすべてエレインに結び付けられ、彼女を忘れられない自分を思い知ります。ジェリコに謝罪すると、バンはその場から逃げ出しました。
 ひとり残されたジェリコは、バンの行為よりも彼が見せた泣き顔に心を奪われていました。彼への恋を、ジェリコは再確認します。

■ コメント ■
バン、サイテー! なお話。バンエレ創作を始めたころだから書けたお話だと思っています。今なら絶対書けません。バンはそんなことしないし、ジェリコにそんなことできない(私が)。王都決戦後から<七つの大罪>離脱までのバンの心理状態はとても気になるので、またいつか書いてみたいですね。

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死者の恋はこの世の摂理を覆すか

■ チェックポイント ■
 妖精王の森/原作時点、111話直後/キングとヘルブラムの会話/ヘル→エレ/切なめ

 キングの兜に宿ったヘルブラムは、ジェリコ、バン、エレインの三角関係をおもしろがります。親友の口ぶりに、キングは彼が秘めていた妹への想いに気がつきました。
 キングの指摘に、ヘルブラムは人間に興味を持ったのもエレインの気を惹くためだったと告白します。ヘルブラムは、彼女に強く出ることが出来ないまま人間にかどわかされてしまいました。その人間であるバンが、彼女の心を手に入れたことがおもしろくありません。ヘルブラムは、ジェリコの恋心を利用して、自分に都合のいい妄想を膨らませました。
 たしなめるキングに、ヘルブラムは悲しげに笑いました。強く想い合う相手がいることを羨むヘルブラムを、キングは下手な言葉で慰めますが笑い飛ばされてしまいます。ヘルブラムは、妄執のごとくエレインのことを諦めないバンに、静かに負けを認めるのでした。

■ コメント ■
バンエレについて、彼らの関係を知る人たちがつらつらと語るお話が書きたかったところに、ファンブックによるヘル→エレの可能性が加わって出来上がった作品です。キングとヘルブラムのやりとりがまさに「つらつら」としていて、あらすじにまとめるのが難しかった(笑)
ヘルブラムと人間、バン、エレインについては、いつかもっと掘り下げて書きたいですね。

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彼にあだ名がついた日

■ チェックポイント ■
 リオネス/<七つの大罪>聖騎士時代/バンとヘンドリクセンの会話/うっすら友情?

 聖騎士見習いの訓練場のすぐそばで、朝から呑んだくれているバンをヘンドリクセンがたしなめます。バンは右から左へと聞き流しますが、その日のヘンドリクセンは妙に食い下がるのでした。
 ヘンドリクセンはバンの魔力「強奪」への関心を隠しません。バンの魔力の源である、彼の守りたい何かについて探ってきます。しつこいヘンドリクセンに、ついにバンの口から「ヘンディ」の愛称が飛び出しました。初めてあだ名を付けられたことに戸惑いつつ、ヘンドリクセンはバンへの質問攻めを続けます。そして次第に、魔力についての考察に夢中になっていきました。
 そんなヘンドリクセンに、バンはいつか死にたくなったときは彼の「腐蝕」の魔力を宛てにすると伝えます。ヘンドリクセンがバンを殺す、そんな日は来ないといいたげに、ヘンドリクセンはバンの心を気遣います。

■ コメント ■
前々からあたためていた、ヘンドリクセンとバンの組み合わせ。当初は顔が似ているので、血縁かなにかかと思い込んでましたよ(笑) 真面目くんと不真面目くんの会話は、楽しいです。奔放なわりにツッコミ役に回ることの多いバンと、理知的なくせにドレファス曰く「ズレてる」らしいヘンディの雰囲気がきちんと描けてると嬉しいな。
こんな風にバンを気遣うヘンディが、大罪メンバーと敵対してしまう未来への物悲しさなんかも伝われば嬉しいです。

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この森に王はいない

■ チェックポイント ■
 妖精王の森/原作時点、対アルビオン前/シリアス/エンデの独白

 キングが森を出てからの700年、エレインの傍には森に隠れ住む妖精たちがいました。しかし、怠惰な彼らはエレインの重い役目に巻き込まれることを拒み、彼女の前に姿を現すことはありませんでした。
 そんな妖精族に代わって、エレインの心をバンが慰めます。赤き魔神に森が焼かれたときも、エレインや森のために戦ってくれたのはバンだけでした。彼の手に託された大樹の種は、妖精族の最後の希望となります。
 二人が出会ったことも含めて、すべては神樹の意志であったかのようと、エンデはバンとエレインの7日間、そして今ある妖精王の森についてキングに語って聞かせました。二人の恋から生まれたこの森に、王は必要ないのだと考えながら。

■ コメント ■
妖精王の森に関する私なりの考察と、妖精族の怠惰への腹立ちがドッキングした作品です。エレインの状況や、森が焼失した顛末を知っていながら、その怒りをキングに向ける彼らが赦せなかったので。
この話から、「バンがあの森にたどり着いたことも、何か(森か神樹)の導きではないか」という視点がいただけて新鮮でした。

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その小石を美しいと君は言う

■ チェックポイント ■
 死者の都/3DSゲーム設定/シリアス/死別中/ゴウセル

 死者の都での冒険で、戦利品の選別を任されていたバンの手がふと止まります。それに気づいたゴウセルは、バンの意識を読み取り、女性の姿があることを認めました。
 バンの心の機微に触れたいゴウセルは、髪型と色を変え、バンの目の前で彼が想う女性の姿へと近づこうとします。しかしそれはバンの一撃によって阻まれ、ふっとぶゴウセル。事情を知ったキングに叱責されますが、ゴウセルには理解できません。
 ゴウセルはバンに謝罪します。バンの心はわからずとも、彼が恋人を連想したものの価値は認めました。心について説くバンやキングの言葉の真意は、やはりわからないと思いながら。

■ コメント ■
心がほしいゴウセルなら、バンやメリオダス、キングが抱える恋に真っ先に興味を持つと思ったのですが、王都決戦の段階まであまり重きを置いていなかったことが不思議でしたね。聖騎士時代は、愛だの恋だのと触れる機会に恵まれなかったのでしょうか。
この話は、王都決戦でのギーラへの措置に繋がる前段階だと思っています。

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ただ、一筋の光

■ チェックポイント ■
 場所不明/原作時点/シリアス/死別中/キングによるバンエレ考察

 キングはバンに責任を感じていました。エレインとの死別も、彼が不死身になり<強欲の罪>を背負うことになったのも、過去のキングの選択の誤りが関係していると思ったからです。
 しかし、キングの懺悔をバンは笑い飛ばします。バンにとってエレインは世界の色であり、光でした。そのことをディアンヌへの想いと重ねて、キングに気づかせます。一方でバンはエレインとの恋、彼女の死に様についてキングに何も打ち明けようとしません。
 死者の都でのエレインの態度も気にかかるキングに、バンはエレインの性格を説きます。バンのことをばかりを託したのはエレインのわがままだと知らされ、キングは言葉を失うのでした。

■ コメント ■
キングの過去に対するツッコミ&フォローを形にした作品です。同時に、700年ぶりに兄と再会したのにバンのことしか言わないエレインへのフォローも……、あれはちょっとキングがかわいそうだったもんで。(笑)
メラスキュラに復活させられたあとの彼女の行動を見ても、彼女がキングを恨んでいないことがはっきりして安心しました。

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